朏 千里馬 -0-


 視界は暗転する。薄暗い月明かりの夜から完全な闇へ。溶解した地面は既に見る影もなく、幾ら藻掻こうと何一つ触れることも許されない。

 外界への干渉を一切拒絶されたこの空間で、果たしてこの生に意味はあるのだろうか。……否、この身には既に、絶望という致死の毒が満ちている。


 瞼の開閉に関わらず、視界に映るのは、一筋の光すら存在しない闇。だが、未だ活動を続ける脳の、その中枢には、……夜空に映える艶やかな白が なび いている。


 ――全ては三日前。 三鬼 みき 弥生 やよい と出会った、あの夜に始まった。