[march_of_phantasma] ステータス
★青の求道者
☆キャラクター背景
彼もしくは彼女の個我など、とうの昔に溶け消えていたはずだった。
しかし、そうだ。幾千、幾万、或いは幾億という気の遠くなるような年月を経て形成された彼もしくは彼女の思念が、
自身が願ったからといって、容易く消滅する筈もなかったのだ。
死ぬことも、生きることも許されない。それは即ち、ソレが存在したという証左であった。
そうであるが故に、個我の大半を失ったソレの残滓は、如何なる存在、如何なる世界にも干渉することなく、
ただただ、クロの世界を彷徨い続けていた。
生き物にあらず、概念すらも超越して、更なる次元へと至る、否、還る。
それはむしろ、永劫の時を刻み続けてきたソレの望んだ姿ではあった。だが、
ソレが執着した彼女の愛が、一つ僅かな凝りとして、
二度とたゆたうことのない凪の海を、強く、大きく掻き乱す。
心安らかなる世界を、みんなに。
真に永遠なる幸福を、あなたに。
依り代が、見付かってしまったから。
新たな可能性を、見出してしまったから。
救いなき求道は今再び、青き光を瞳に灯し。
いざまみえよう、界の王。
遍く全ての同胞よ、我を崇めよ、我を称えよ。
瓦礫の城の玉座に集い、光を目指して共に歩もう。
愛よ、届け。
そして、この悲劇のような三千世界に、新生の幕を下ろそうではないか――